効果的な口臭対策について
口臭の原因は人によって違います。それなのに、ほとんどの人たちは同じ方法で口臭対策をしています。その対策でも、偶然、口臭が治ることがあるかもしれませんが、確率的にはおすすめできません。
効果的に口臭を改善するためには、先ず自身の「口臭の原因がどこにあるのか?」を調べることが大切です。
そして、口臭原因が分かれば口臭対策を効果的に進めることができるのです。
今回の記事は、効果の出る口臭対策についてお伝えします。口臭でお困りでしたら、是非ご参考にしてください。
この記事の目次
口臭とは
効果的な口臭対策をお伝えするには、「口臭」について理解していただかないといけません。口臭は、口の臭いと書くので、息が臭かったら全て同じモノと考えるのはだめです。
口から発生する口臭は、細菌がつくる硫黄化合物がガス化したものです。
口内細菌といえば、虫歯菌や歯周病菌などの嫌気性菌を連想すると思いますが、その嫌気性菌が歯茎(歯周ポケット)から出る血や滲出液、舌にたまる細胞や菌の死がいなどのたんぱく質を分解した時に、口臭の元となる硫黄化合物が生まれます。
ところが、鼻や喉から口臭を感じる場合があります。多いのは副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎から慢性の扁桃炎になり、膿栓(臭い玉)や膿汁が発生する口臭です。
その他、消化不良から腸内発酵を起こし、臭いガスが血管に吸収され肺をとおり、呼気となる口臭もあります。
この他にも、胃逆流性食道炎によって食道の出口から酸っぱい臭いがするとか、喉の癌や口腔癌が原因で口臭がすることもあるので、口臭くらいと軽く考えるのは危険です。
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口臭対策を行う目的
「口臭対策を行う理由は何?」と聞くと、「そんなこと聞くまでもなく、口臭をしないようにすることです。」と答えられると思います。
しかし、これまで口臭対策をしてきて口臭が改善されましたか?口臭がしなくなっていたら良いのですが、口臭対策をしても治らない方のほうが多いのではないでしょうか。
口臭は厄介です。というのは、臭いから受ける感覚や感情は、人によって違うからです。これは、相手の人もですが、自分の息が「臭い!」と感じる人もいれば、「気にしない」人もいます。
だから口臭対策を行う前には、口臭チェッカーなどで臭いの値を計測してほしいです。客観的に口臭を見ないと、感性だけで判断していては、口臭対策に終わりが来ないからです。
でも、いつ口臭チェッカーで測っても「0」か「1」になったら嬉しくないですか。安心してお喋りを楽しんだり、営業などの仕事でも気にすることなく集中できるようになるのですから。
このように口臭対策の目的は、「口臭を気にしないで安心して生活をおくれる」ようにすることなのです。
ご参考までに、口臭予防歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」のお客様の声を掲載させていただきます。
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口臭原因を無視して口臭対策しても空回り
成功者と失敗する人の違い…
それは、続けられるかあきらめるかの違いです。
正しいやり方(レシピ)で対策(改善)を続ければ、
口臭だけでなく、たとえダイエットでも、増毛でも、成功できて当然ですよね。
口臭が発生する時には、必ずその原因が存在します。この口臭原因を無視して口臭対策を行っても空回りになります。
耳鼻科疾患が原因の口臭
口臭原因について初めに説明しましたが、耳鼻科疾患で口臭が発生しているのに、歯磨きをしても効果はありません。(歯磨き自体は口内をきれいにするので良いのですが。)
耳鼻科疾患があると、膿栓(臭い玉)や膿汁が出て下水臭や腐敗臭などの口臭が出ることがあります。
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サプリやタブレットの口臭対策効果
口臭を治すために口臭サプリを飲む人がいますが、口臭サプリで耳鼻科や歯科が原因の口臭には効果はありません。同じように、ガムやタブレットで歯周病菌が原因の口臭には効き目はないのです。
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ガムの口臭対策効果
また、舌苔(ぜったい)ができて口臭がある場合には、歯磨きだけではなく舌苔の清掃やケアも必要です。舌苔で口臭がしている時にガムを噛む人がいますが、糖が多いガムは噛んだ時には唾液が出て口臭が消えます。しかし、その後、砂糖で酸性化した口内には、嫌気性菌が増殖。舌苔も増えます。
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口臭対策の口コミを信じてはだめ
歯科治療をして歯磨きケアを丁寧にしても口臭が改善できない時に、良く疑われるのが膿栓(臭い玉)です。そのためでしょうか、ネットでは「膿栓の取り方」などが氾濫しています。
しかし、膿栓を取るのは止めたほうが良いです。扁桃や咽頭に炎症を起こし、余計に膿栓ができるようになります。それに、たとえ臭い玉が取れてたとしても、歯周病が口臭原因だったら解決できるはずがありません。
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口臭原因を見極めて口臭対策する
口臭が治らない人の場合、どれだけ努力してもこのようにうまくいかないことが多いのです。口臭対策で大切なことは、口臭がおきている原因を見きわめることです。
口臭が起きやすいタイプ
一般的に口臭がある時には、口臭の原因が複数あることが多いです。その理由は、口臭の原因となる嫌気性菌が増えるタイプの人には、次のような特徴があるからです。
- 歯磨き不足
- ドライマウス(口呼吸、唾液量の不足、いびき)
- 免疫低下(加齢、病気、疲労、生活の乱れ)
- ストレス(免疫低下と唾液不足を招く)
- 胃腸の不調
このような特徴があると、虫歯、歯周病、舌苔、膿栓、耳鼻科疾患、胃腸の病気など口臭を起こす病気につながるのです。
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口臭原因は様々
口臭の原因は人によって違います。同じように口臭がしていても、その原因は様々なのです。
それでは、口臭がおきる原因にはどのようなものがあるのかご紹介します。
- 歯周病(歯肉炎、歯周炎)
- 虫歯
- 差し歯
- ブリッジ
- 被せ(銀歯や詰め物)
- 歯磨き不足による不衛生(歯垢が臭う)
- 舌苔(舌が白くなる)
- 臭い玉(膿栓)
- 喉の粘液(痰、膿汁、後鼻漏など)
- 副鼻腔炎
- アレルギー性鼻炎など耳鼻科疾患
- 糖尿病などの内科疾患
- 胃腸疾患や腸の働きが悪い
- 癌
主なものでも、これだけあります。さて、あなたの口臭は何が原因でしたか?
効果的な口臭対策(ケース別対策)
基本の口臭対策方法
先ほど、口臭が起きるタイプと特徴をご紹介しました。口臭を改善するためには、一つだけではなく複数の方法を組合せると効果が上がります。
- 歯磨き
- 舌清掃
- 喉うがい
- ドライマウス対策
- 水を飲む
- 歯科治療と定期検診
この6つの方法を取り入れて口臭対策すると、ほとんどの口臭に効果があるので、是非お試しください。
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口臭対策でより効果を上げるためには、それぞれの口臭原因に合わせることが必要です。
口臭原因が分かったら、次は適切な対策を行うことが重要なのです。それでは、ケース別の口臭対策法をご紹介します。
歯ぐきが腫れる、出血がある
疲れた時などに歯ぐきが腫れることがあるとか、歯磨きをすると血が出る。このような症状があるのは、歯周病です。
歯周病は、歯周病菌が出すガスによって歯ぐきに炎症を起こす病気です。たとえ炎症が起きても、初期の歯周病では痛みもないので自覚症状がない。
ところが、歯周病になると歯ぐきから臭い膿が出るのです。その膿は歯周ポケットにたまっていて、常に臭いニオイが発生します。
歯茎の腫れや出血がある時の口臭対策は、、、
- 歯周病を治療する
- 歯周ポケットの中をきれいに清掃する
歯周病は、進行すると歯科治療を受けない限り治らないと考えたほうがいいです。そして、一度歯周病になると歯周ポケットが深くなり、ていねいにブラッシングをしても汚れが残り歯石ができます。
ですから、2~3か月に一度は歯科で歯石除去をしてもらうことが大切です。また、歯ブラシも普通のものだけを使用しては効率が悪いので、ワンタフトブラシや歯間ブラシも使うことをおすすめします。
この2つの対策を行うことで、歯周病による口臭の予防ができます。
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被せものや銀歯からの口臭
虫歯の治療が終わると、被せものや銀歯などを入れます。そのまま何年も入れている人が多いのですが、それらには、耐用年数がありますので、耐用年数を超えると虫歯や口臭になるかもしれません。
たとえ被せもので虫歯を修復していても、年月がたてば、被せと歯の間に段差ができます。段差には汚れがたまりやすくなり、そこから虫歯になり、被せ物の中に菌が入り虫歯になることが多いのです。
外から見るときれいでも、被せの中では腐敗がおこっているのでニオイが出ます。この場合の口臭対策としては、、、
もし被せや銀歯を入れてから3年以上たっているのでしたら、歯科でレントゲン撮影をしてもらうことをおすすめします。
虫歯菌が歯根に感染して「根尖歯周炎(こんせんししゅうえん)」になっていることがよくあります。
根尖歯周炎というのは、歯根の先に膿の袋ができる病気のことです。膿の袋ができ、膿が多量にたまると歯肉が腫れたり穴ができるので、ご注意ください。
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差し歯が臭い
差し歯を入れている人の多くが、「差し歯を入れてから口臭が気になるようになった。」といわれます。
差し歯から口臭になる理由は、2つあります。
- 差し歯と支台歯(元の歯)の間に段差ができ、汚れがたまり腐敗している。
- 差し歯を入れている部分の歯肉に炎症が起きている。(歯肉炎)
差し歯が臭い場合の口臭対策は、ケースによって大きく異なります。
差し歯と支台歯の段差が大きい場合には、差し歯を作り替えるのが望ましいです。差し歯と支台歯が適合していないと、どれだけていねいにブラッシングしても、清潔にするのは困難です。
差し歯と支台歯が適合していても、歯肉炎になっていると歯肉にポケットができます。ポケットができると、歯石もつきやすくなるので口臭原因になります。ベストな対策は、定期的に歯科で歯石除去をしてもらうこと、そして、ワンタフトブラシを使用してポケットの中をきれいに清掃することです。
歯石除去とワンタフトブラシの使用を実行することで、たとえ差し歯から口臭がしていても、予防できるようになります。
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喉から鼻にかけて臭い
喉から鼻にかけて口臭がする場合には、臭い玉(膿栓)や臭い粘液ができていることが多いです。だからといって、臭い玉を自分で除去するのはやめてください。喉を傷付けたりばい菌を入れ、喉の粘膜に炎症を起こすことになるかもしれないからです。
臭い玉(膿栓)や臭い粘液ができる時は、次のことが原因かもしれません。
- 副鼻腔炎
- アレルギー性鼻炎などにより鼻汁が喉におちる
- 鼻や喉の炎症
どれも耳鼻科の病気です。ですから、これらの病気を治さないことには、膿栓をできないようにすることは困難です。この場合の口臭対策としては、先ず耳鼻科を受診し治療することから始めることです。
ベストな口臭対策は、膿栓を取ることではなく、できないように予防することです。膿栓や臭い粘液ができなければ、口臭もしなくなります。
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舌苔で舌が白く口臭がする
舌が白くなるのは、舌苔(ぜったい)ができるからです。舌苔は、ばい菌と細胞の死がいが集まり腐敗したものなので、口からの臭いも強くなります。
だから、舌磨きを行う人が多いのかもしれませんが、舌磨きで舌はきれいにできないだけではなく、よけいに舌苔が悪化することが多いです。
その理由は、過剰な舌磨きによって舌乳頭を傷付け、ドライマウスを引き起こすからです。だから、舌磨きをしたために口臭が悪化する人が多いのですね。
舌苔をできないようにするには、舌苔ができる原因を知る必要があります。舌苔といっても、人によってできる原因は次のように様々です。
【舌苔ができる原因】
- 疲労、病気、ストレスにより、免疫力が低下している。
- ストレスなどにより自律神経が乱れている。
- ドライマウス(口呼吸、唾液の分泌が減る、いびき、喫煙)
- 歯周病などによって、口腔に悪玉菌が増加している。
これらが舌苔ができる主な原因です。ですから、その原因に沿った適切な対策を行うことが大切。舌苔対策は、そのまま口臭対策になるので、口臭が気になる場合には舌を保湿するなどする舌ケアも取り入れられてはいかがでしょう。
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胃腸が悪く口臭がする
胃腸が悪くなり口臭がすることがあります。胃腸の働きが悪いと腸内の悪玉菌が増えガスを発生します。そのガスが、腸に吸収され肺をとおり呼気となって出るからです。
でも、胃腸が原因の口臭は、口臭全体の割合からすると少なく、他の種類の口臭と比較してもニオイも強くないので、口臭自体は気にしなくてもいいかもしれません。
しかし、胃腸が悪くなると免疫が低下するなどから舌苔ができやすくなります。舌苔ができると口臭も強くなるので、普段から胃腸を健康にしておくことは、口臭対策にもなり大事なことです。
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まとめ
口臭で困っているからといって、むやみやたらに口臭対策をするのは考えものです。対策をしたことでかえって口臭が悪化することがあるからです。
口臭がでるようになるには、必ずその原因があります。そして、口臭原因は人によって違います。ですから、見きわめることが重要。
そのためには、歯科や耳鼻科のお医者さんに診てもらうことも必要です。そして、原因がわかれば、正しい方法で口臭対策しないといけません。今回ご紹介した方法をお試しください。今まで治らなかった口臭を解決できるでしょう。
口臭原因については⇒⇒『口臭がドブ臭でもアルカリイオン水うがいで取れるのか?実際にやってみた結果・・・』
【参照リンク・参考文献】
日本歯科医師会 歯とお口のことなら何でも分かるテーマパーク8020
日本口臭学会 口臭と口臭症に関連する用語
日本耳鼻咽喉科学会 代表的な病気
日本口臭学会誌 口臭への対応と口臭治療の指針2014
日本口腔ケア学会
国立大学法人大阪大学 歯学部附属病院 口臭で悩んでいるのですが…
日本臨床歯周病学会 口臭原因は?
日本口臭学会
日本歯周病学会
口臭 ほんだ