
更年期のドライマウスについて
ドライマウスになると、口がネバネバしたり舌が白くなり口臭が出るようになりますが、更年期障害の症状の一つです。
そのため、ドライマウスは「更年期だから仕方ない。」と思われていませんか?
実は、ドライマウスの原因は、更年期というよりもストレスや薬の副作用の方が多いのです。それだけではありません。口臭が出るようになるのは、更年期障害ではなく舌苔に原因があります。
このことを踏まえて、今回の記事は、更年期に良く起こるドライマウスの症状とその対策についてお伝えします。ドライマウスでお困りでしたら、是非ご参考にしてください。
この記事の目次
ドライマウスは更年期障害の一つ
更年期障害
一般的には、平均年齢50歳前後の女性を更年期といいます。
閉経(1年間月経がない状態)の平均年齢は、50.5歳ですが、これを挟んだ前後10年間を更年期と呼びます。
卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)は、20~30代でピークを迎えますが、40代に入ったころから急激に低下が始まります。
引用:ヘルスケアラボ
更年期障害の主な症状としては、イライラなどストレスが増えるのが特徴です。
翌朝、そのことを妻に言うと、「いろいろと不安があるから、それがストレスだと思う。」
私「何がストレスなんだい?」と聞くと、
妻「あなたよ!」
更年期でなくても、私の方がストレスになります。
この他にも、更年期になると、頭痛、関節痛、ドライマウスなど、身体的障害が起きることも。
【更年期障害の症状】
ほてり、のぼせ、発汗、冷え、めまい、耳鳴り、頭痛、動悸、息切れ、イライラ、不安感、不眠、抑うつ、無気力、肩こり、腰痛、関節痛、疲労感、皮膚症状(乾燥、かゆみ、湿疹など)、腟の乾き、性交痛、頻尿、尿失禁、膀胱炎。
更年期にドライマウスになるのは
更年期の人にドライマウスが多いのは、更年期障害だけが原因ではありません。お薬の副作用によって唾液の分泌が減少することもあります。もし、降圧剤や睡眠誘導剤を服用している場合には、お医者さんにご相談されるといいでしょう。
更年期のドライマウスで多い原因は…
- ストレスが原因
- 降圧剤、安定剤、睡眠導入剤などを服用している
ドライマウスが起こす心身への影響
身体的影響
口腔が乾燥すると酸性化に傾き、細菌が活発に増えます。そのため、歯周病のほか様々な病気にかかりやすくなります。
- 虫歯や歯周病になりやすくなる
- 味覚障害を起こすことがある
- 口臭が強くなる
- 口腔カンジダ症が起こることがある。
口が乾くと口臭が強くなるだけではありません。多くの疾患の原因にもなるかもしれません。このように、唾液が減少することは良くないので、「舌の乾き」を改善することは重要なことなのです。
ストレス
ストレスが原因でドライマウスが起こりますが、ドライマウスになるとストレスが生まれます。
いつも舌がパサパサ乾いていると、クッキーやパンなど乾燥したものを飲み込みなくなります。また、唾液が粘つき口臭が強くなることもあります。
それだけではありません。舌が乾くと舌苔(ぜったい)が出来、口が苦くなるなど味覚障害を引き起こすことも。だからでしょうか、生前私の母も「舌が乾く、口が苦い。病気のだろうか?」と不安な様子でした。
母でなくても、毎日舌の乾きが続くと病気かもしれないと思うでしょう。舌が乾くのは、それほど辛いものです。
口が苦い場合の対策は「口が苦い、口が臭いと思ったら読んで実践してほしい5つのこと」をご参考にしてください。
更年期のドライマウスから起きる症状と原因
症状
ドライマウス症になると、舌苔ができて舌が白くなりやすくなります。そのため、舌に次のような症状が起きます。
- 舌が乾く
- 舌がピリピリ痛い
- 舌がザラザラする
- 舌にひび割れができる
- 舌に口内炎ができる
- 口臭が気になる
- 唾液が粘つく
唾液分泌量の正常な方の舌です。
健康な舌の色は淡い紅色です。そして、舌の表面は唾液に濡れて湿っているのが特徴です。また、舌乳頭が立っているため、じゅうたんのようにザラザラとした感じになっています。ところが、このような状態でも、「舌がザラザラしている」と勘違いして悩まれている方もおられます。多少、舌がザラザラしているのは、健康な舌の状態ですのでご安心ください。
心配しないといけないのは、過剰な舌磨きによって舌乳頭が長くなり毛羽立っている舌です。このような舌になると、舌苔が出来、「舌がヒリヒリする」、「舌が乾く」、「舌が臭い」など多くの悪影響が出るかもしれないので、すぐに舌磨きを中止してくださいね。
次の画像は、舌の乾きを訴えている患者さんの舌です。
このドライマウス症の患者さんの舌の特徴は…
- 口唇にひび割れができる。舌の溝(ひび割れ)については、『溝状舌(こうじょうぜつ)には舌苔が付き物!?溝状舌を治す3つの方法とは?』をご参考にしてください。
- 口角が赤くなる(発赤)
- 舌の色は紅色
- 舌乳頭が削れたような感じで舌がすべすべ
- 舌苔が治らない
常に舌が乾いていると舌に溝ができることがあります。
溝ができると汚れが良くたまるようになり舌苔ができやすくなります。
ご自分の舌苔の状態が気になる場合は、こちらの『舌が臭い、口臭がするそれは舌苔が原因です。舌苔を取り除く方法とは?』でチェックしてみてはいかがでしょう。
舌が痛い(舌痛症)
舌が乾くと、舌がひりひりしたり痛くなることがあります。通常、舌は唾液によって保護されていますが、唾液が減ると舌の皮膚がむき出しになり痛みを感じるようになります。
また、舌苔ができることで、痛みが起こることもありますが、精神的な原因で舌が痛くなることもあるので、痛みが続く場合はお医者さんに診てもらうことをおすすめします。
舌がひりひりしたり痛む場合は、「舌がヒリヒリするのは口腔カンジタ症かもしれない。舌が白いかチェックしてください」をご参考にしてください。
舌磨きが舌痛症の原因になっていることもあります。詳しくは「舌磨きは絶対にしてはいけない!なぜなら口臭をひどくする原因だからです。どうしたらいいかというと・・・」をご参考にしてください。
口臭
口腔乾燥が口臭を引き起こす原因になっていることについて日本口臭学会で発表されていましたので、噛み砕いてお伝えします。今日はちょっと難しいお話しですが、口臭を予防するには大切なことです。
臭い物質というのは、臭いの元となる物質のことです。臭い物質は、口腔の細菌が、食べ物カスや細胞上皮のはがれた物を分解するときにできる物質です。
普段、その臭い物質は唾液に溶け込んでいたり、舌の表面の舌苔にくっついているのですが、この状態のときには、まだ臭いはでていないので臭くありません。
口臭として感じるのは、口が乾き、舌苔や唾液中に溶け込んでいる臭い物質が気化して口臭ガスとなった時です。ですから、口が乾いたときが、「口臭を発生している」というサインです。
一般的なドライマウス
- 舌が乾いてカラカラする
- 話をするときに舌が上あごにはりついて会話が上手にできない
- 舌がヒリヒリする
- 口の中がネバネバする
- 口内炎ができやすい
- 水がないと食べ物が食べられない
- 口唇が乾く
- 口唇にひび割れができたり口角が切れやすい
- 舌に溝がある
- 舌が乾燥している
- 目も乾く
- 水を常に持ち歩く
- よく飴を舐める
- トイレや喉が乾くために夜中に良く起きる
口がよく乾く人の場合には、舌苔(ぜったい)ができやすくなります。舌苔ができることで口臭も強くなります。ですから、舌が白くなったり口臭が気になるようになれば、舌苔対策が必要です。
原因
ドライマウスになりお口が乾く(口の粘つき、口臭)と訴えられる人に中年以上が多いので、加齢がドライマウスの原因だとよく言われます。しかし、加齢そのものがドライマウスの原因ではありません。
加齢とともに、顎や舌の筋肉が衰え唾液線の機能も低下していきます。でも、これらは体力や健康という個人差が大きいです。年齢を重ねていても元気な人がいます。
しかし、一般的には、加齢とともに高血圧など病気がちになり薬を飲むことが多くなります。その薬の副作用で唾液が減少することがあるのです。また、高齢者になると水分摂取が少ない人が多く、このことも唾液が減る原因です。口が乾く場合は、小まめに水を飲むことをおすすめします。
口が乾く原因は色々ありますが、主な原因は次のことが多いです。
- 加齢(顎や舌の筋肉が衰え唾液の分泌が減る)
- ストレス(ストレスがかかると交感神経が働き唾液が出にくくなる)
- 緊張による(ストレスと同じ)
- 口呼吸(睡眠時の開口で口呼吸になっていることがある)
- 糖尿病などの疾患(排尿量が多くなり体の水分不足から舌が乾く)
- 薬の副作用(抗うつ剤、鎮痛剤、抗パーキンソン剤、降圧剤など)
- シェーグレン症候群(とう原病の一種で、ドライアイやドライマウスなど全身に乾燥感を起こす難病です。)
- 腎不全(人工透析によって身体の水分が排出され脱水症状を起こすため、舌の乾きにつながる)
- 更年期障害(更年期になると女性ホルモンが減少することから唾液量も減る)
これらのことが原因となると唾液の分泌が減少し口内や喉が乾燥します。
ストレス
ストレス、精神疾患、更年期障害など。
唾液の分泌量が減少する原因に多いのがストレスです。ですので、口が乾き困っている方は若い人にも増えています。詳しくは『ドライマウスも口臭も舌苔も無くなる方法とは?』をご参考にしてください。
常に精神的なストレスがかかっていると、舌がパサパサに乾くことになるかもしれません。どうして、ストレスと舌の乾きが関係しているのでしょう?不思議だと思いませんか。
舌の乾く原因はストレスだけではありません。しかし、舌が乾いて困っている人の多くはストレスを抱えているのが現実です。
ストレスによって舌が乾き、そのことがストレスとなり舌が乾くという悪循環に陥っている人が多いのです。このようにして、ストレスと「舌の乾き」は影響しあっているのです。
不安、緊張、恐怖というストレスは、交感神経に働きかけるため、唾液が出にくくなりネバネバ唾液になります。このことから、口腔乾燥を起こし舌が乾くことに。
ストレスというと、精神的なストレスを連想するかもしれませんが、舌の汚れ(舌苔)が環境ストレスの原因になるということをご存知でしょうか。
実は、舌苔が出来ることで口内環境が汚くなるとストレスを感じ、唾液分泌を抑制するのです。これも悪循環です。精神的なストレスによって舌が乾き舌苔ができる。そして、口内環境が悪化しストレスを感じ唾液が出なくなり舌が乾く。このようにして、常にストレスがあると悪循環がずっと続くことになるのでご注意ください。
舌苔が出来る原因について詳しくは、『舌が白い人は舌苔です。舌苔を取り除く5つの方法とは?』をご参考にしてください。
→ ヨガで口臭予防する方法!自律神経を整えサラサラ唾液をだす
口が乾く病気
唾液は、自律神経からの指令が唾液腺に伝わり血液を元につくられます。ですから、唾液が少なくなる原因は、自律神経の問題、唾液腺の問題、血液の量の問題などさまざまで、一つだけではない場合もあります。
薬の副作用でお口の乾きが見られる場合もありますが、自己判断で服用を中止するのは危険です。掛かり付けのお医者さんにご相談されることをお勧めします。
口が乾く病気には、糖尿病や腎臓病があります。これらの病気になると、排尿が増えるため、喉がよく乾くようになります。そのため、水を良く飲むのもこれらの病気の症状です。
口が良く乾く場合には、内科で「口が乾く」症状をお伝えしてご相談されてはいかがでしょう。
【唾液腺の損傷】
シェーグレン症候群、唾液腺の疾患(唾液腺腫瘍、唾石症)など。
【血液の運搬障害/血液や体液の減少】
糖尿病、甲状腺機能障害、腎疾患、脂質異常症などの代謝疾患、薬の副作用(利尿薬、カルシウム拮抗薬)、脱水
更年期のドライマウス対策
対策のポイント
ドライマウスになっても、更年期だからと自己判断しないで、婦人科にご相談されることが大切です。
また、舌が乾いたときには、口臭がしているかも?と覚えていると安心です。舌が乾いたときには、少しでも水を口に含んだり飲むことで、口臭を抑えることが可能です。
また、舌が乾きやすい人は、口のねばつきを感じていたり、苦味など変な味を感じる傾向にあります。そして、舌が乾きやすい人の場合は、舌苔(ぜったい)ができていることが多いものです。
その他にも、あまり知られていないのですが、喉が乾燥する人の場合には膿栓や膿汁ができやすくなります。痰のような膿汁は、扁桃腺と舌扁桃(舌の根本にある)から分泌されるので、舌の奥にばい菌が付きやすい。そのため、膿栓や膿汁ができると舌苔も出来るという悪影響が出るのでご注意ください。
舌苔(ぜったい)や膿栓(のうせん)は口臭原因の代表格のようなものですから、口が乾きやすい人が口臭が強いといえます。
これらの事実から仮定できることは、次のうちの一つでも当てはまれば、口臭がしている可能性が高いと考えられます。
- 口が乾きやすい
- 口がねばついている
- 苦味など変な味がする
- 舌苔(ぜったい)ができて舌が白い
あなたは、どれか一つでも当てはまりましたか?
どれも当てはまるものがなければ、(口中が原因の)口臭を気にする必要もないのですが。。。口臭が気になっていて、もし、一つでも当てはまっているのなら、一日も早いうちに対策されることをオススメします。
口が乾燥しないようにできれば、口臭も予防できるかもしれません。
口が乾く原因は、先ほどご説明しました。ですので、その原因ごとに対策することが大事です。
口呼吸であれば、鼻呼吸に改善することが大事です。
唾液腺の刺激
唾液腺は、筋肉のように使わないと衰えて、唾液の分泌機能が低下してしまいます。ですから、そうならないように予防するには、唾液腺の刺激が有効です。
よく噛んで食べるなどお口の中を刺激すると唾液腺も刺激されます。また、噛む刺激は自律神経にも伝わり、それが唾液分泌の指令を出すことにもつながります。
唾液腺マッサージ
唾液腺を直接刺激するには、唾液腺マッサージが有効で、食事前に行うと効果があると言われています。
耳下腺
最も大きい唾液腺。唾液分泌量は2番目の多さ、サラサラした唾液を分泌します。
顎下腺
2番目に大きい唾液腺。唾液分泌量が最も多いく、サラサラ唾液と粘液性唾液の両方を分泌する。
耳下腺
サイズも分泌量も一番少ない。粘液性の唾液を多く出す。
対処法
いつもの習慣を一工夫してお口に潤いをつくりましょう。
- よく噛んで食べる
- 小まめに水を飲む
- シュガーレスガムを噛む
- 規則正しい生活
- 加湿器をつける
- 口呼吸を鼻呼吸に変える
- マスクをして寝る
- お酒はほどほどにする
- コーヒーや紅茶は控えめにする
ドライマウスの対策としてはどれも大切ですが、簡単にできて効果があるのは、「よく噛む」と「水を飲む」ではないでしょうか。
現在の食生活は加工食品が多く、噛まなくても飲み込めるものばかりです。そのため、噛まない。噛まないと唾液がでないというように悪循環になっています。食べ物を一つ口にいれたら10回噛むというように決めると良いかもしれません。
また、唾液は99%以上が水分でできているので、水を飲むことは大事です。その他にも水を飲むと、唾液線を刺激する効用があります。ですから、一度に大量の水を飲むよりも、小まめに水を飲むようにしたほうが効果があります。
加齢で唾液腺が弱っているのであれば、口や舌のトレーニングが大切かもしれません。
薬が原因であれば、お医者さんに相談して副作用の少ない薬にすることも必要です。
そして、ストレスが多いのであれば、趣味や運動でストレスを発散したり、ストレスを抱えないように考え方を変えることも必要かもしれません。
舌苔(ぜったい)や口臭が気になるときには、口臭予防歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」がお勧めです。
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