
舌に溝ができていることで悩まれていませんか?
舌に溝ができているのを溝状舌(こうじょうぜつ)といいますが、舌に溝があると不安になるかもしれませんよね。でもご安心ください。溝状舌になっていても、それ自体は問題になりません。溝があることで問題があるとすれば、舌苔(ぜったい)ができることです。
舌に溝があると溝の中に汚れがたまるため、舌苔がよくできます。舌苔ができると、舌が白くなり(又は黄色くなる)見た目も悪く、口臭がひどくなります。
そうならないように、舌の溝を治すことが大事です。今回の記事は、舌の溝(溝状舌)を治す方法についてお伝えします。舌の溝で悩まれていましたら、ぜひご参考にしてください。
※この記事はオーラルウェルネス歯科医院院長ファストロ滋子医師により監修を受けた記事です。
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この記事の目次
溝状舌(こうじょうぜつ)とは
舌の表面にできた溝です。縦や横に溝ができたものを溝状舌(こうじょうぜつ)といいます。舌を引っ張りだすと、舌の脇に溝ができているのがよく見えます。
溝状舌(こうじょうぜつ)という言葉自体が、初めて耳にする言葉かもしれませんね。でも、成人の15%は舌に溝ができた経験があるそうですので、もしかしたら、家族や友達の中にも舌に溝ができたことがあるかるかもしれません。
舌に溝ができる原因は人によって様々です。溝状舌は先天性のものが多いと言われていますが、ドライマウス症で舌が乾燥し舌に溝ができることもあります。
先天性の溝状舌
溝状舌をウィキペディアで調べると…
かんたんに説明すると、「溝状舌は、ほとんどが先天性のもので病気ではないから、安心してください。」というものでした。
しかし、実際は先天性溝状舌がほとんどというのは定かではありません。私のように、突然、舌に溝ができる人が多いからです。
また、溝状舌になる人は案外多く、
文献的には成人の約15%に溝状舌がみられるといわれていますので珍しいものでもありません。
出典:安原歯科医院
ウイキペディアによると、日本人の溝状舌の割合は、2.6%(東北大学、1989年調査)だそうですので、日本人の溝状舌はかなり少ないです。
また、溝状舌に関する先天性と後天性の割合については掲載されていませんでしたが、「主なものは先天性溝状舌である。」と述べられていました。
溝状舌こうじょうぜつとは、皺襞舌しゅうへきぜつとも呼ばれる舌背表面に多数の溝が形成される状態で、しばしば左右対称に生じます。ほとんどは先天性でダウン症候群では80%に確認されます。
後天性の溝状舌
だからといって、これらの内容は鵜呑みにしないほうが良いです。というのは、私自身の経験からも、普段は舌に溝がありませんが、体調の変化によって、舌に溝が出来ていることがあるからです。
それも多い時には、舌の中央に縦長に溝が1本、細い溝が2本できていることも。溝が出来ると、舌苔が出来やすく舌が白くなっています。
その時には心配するのですが、そのことを忘れていると、知らない間に溝がなくなっています。私と同様の溝状舌の人もおられると思うので、正確な調査ができないのかもしれません。
しかし時として、全身疾患の予兆として舌に溝ができることもあるので、勝手な判断をしないで医師の診断を仰ぐことをおすすめします。
舌の溝は治る
舌の溝が先天的なものであれば、溝をなくすことは、手術でもしないかぎり不可能かもしれません。
しかし、後天性の溝状舌であれば、治すことは可能です。ネット上では、後天的であっても「治すことはできない」し、予防もできないみたいなことが書かれていますが、はたして本当でしょうか?
私の舌の溝は簡単にできますが、何もしなくてもいつの間にか簡単に治っています。これは、どう説明すれば良いのでしょう?
自信をもっていえることは、私の場合、たとえ舌に溝ができたとしても、「ほっておけば知らない間に治っている」ということです。
私の舌に溝ができるのは、たいてい次のような時です。
- 深酒をしていびきをよくかいた翌日
- 胃腸の調子が悪く免疫力が低下したとき
この2つです。このような時に舌に溝ができ、舌苔もできていることが多いです。
もし、あなたも私と同じような溝状舌であれば、健康になれば治るのでご安心ください。
ときに疼痛を自覚することがありますが、自然に消退する場合が多く、無害であるので、ご心配はいりません。特に、何をしたからといって治るものでもありません。
出典:安原歯科医院
溝状舌の治療
病院では、舌に溝ができていても、特に痛むなど問題となる症状がなければ治療を施すことはありません。
普通は、溝状舌になっても自然に治りますが、舌苔ができるとピリピリしたり痛みを感じるかもしれません。舌に痛みや炎症が生じる場合には、歯科や内科で診てもらうことをおすすめします。
舌に溝ができる原因
慢性炎症などによって後天的に発現することもあります。舌に溝ができる原因はまだわかってないようです。
それでも、溝状舌の原因について調べてみると…
外傷や感染、ビタミン欠乏、腫瘍、また全身疾患(メルカーソン・ローゼンタール症候群やダウン症候群)の一症状として現れることがあります
とありました。私もたまに舌に溝ができていることがあります。私の場合には寝不足などで疲労がたまっているときにできやすいようです。疲労したときやお酒を飲み過ぎると、「いびき」をかき口呼吸になります。それで、舌が乾燥するからだと思っていますが、本当の原因は定かではありません。
また、高齢者では、唾液分泌が減るため舌が乾燥します。それに若い時よりも免疫力が低くなったり、口腔ケアがおろそかになるなどの理由から舌に溝ができることがあります。
舌に溝ができることから起きる問題
舌に溝ができても病気ではないので心配することはありませんし、それに、発声や嚥下に障害を起こすこともないのでご安心ください。
でも、舌に溝があると舌苔ができ白くなったり、舌が痛くなることがあります。溝状舌になると、どうして舌苔ができるのか、どうして舌が痛くなるのかについて一つずつご説明させていただきます。
舌に溝ができると舌苔ができる
舌に溝ができても、健康な方の場合は特に自覚症状もありませんが、深い溝に舌苔(ぜったい)が入り込むことにより不潔になります。
また、舌苔(ぜったい)や慢性刺激によって炎症を起こすと、痛みや軽度の味覚障害を伴うことがあります。舌苔(ぜったい)については『舌が白い人は舌苔です。舌苔を取り除く5つの方法とは?』をご参考にしてください。
溝状舌があると、舌の溝に食べかすが溜まり、細菌が繁殖しやすい!
なので、舌苔ができて舌が白くなってしまいます。ですから、溝状舌の人の場合は、舌苔が地図状にできる地図状舌になることもあります。
そして、舌の溝で腐敗がはじまり、強い口臭が発生!
これが、舌に溝ができることのよって口臭が発生する理由です。だからといって、舌磨きをしてはいけません。詳しくは「舌磨きは絶対にしてはいけない!なぜなら口臭をひどくする原因だからです。どうしたらいいかというと・・・」をご参考にしてください。
舌が痛い
舌に溝があると溝に汚れや細菌がたまるため、他の人よりも舌が汚れやすく舌苔ができます。そのため、味覚障害を起こしたり舌が痛くなることがあります。
また、舌が白いことが嫌で舌磨きを行う人がいますが、舌粘膜はデリケートな細胞ですので、磨き過ぎると舌に傷が付き舌が痛くなるのでご注意ください。
舌をきれいにすることは大切ですが、口内を清潔にするためには、ていねいに歯磨きを行い、小まめにうがいを行う、水を飲むなどしてケアすることがおすすめです。
後天性の溝状舌の治し方
歯科医院では、先ほどの説明のように「ほっておいても舌の溝はなおるから心配ないです。」と言われることが多いかもしれませんが、舌の溝ができている患者さんにとっては大問題です。一日も早く治したいのではないでしょうか。
ここでは、舌の溝を少しでも早くなおす方法をご紹介します。
後天性の溝状舌ができる原因の多くは、「口腔乾燥」によるものです。唾液の分泌が少ないか、口呼吸によって、舌も乾燥するからです。舌粘膜は毛細血管が張り巡らせているため、水分が多い組織です。口腔が乾燥すると舌にひび割れができるのは当然です。
ですから、舌の溝を治すためには、舌を乾燥させず水分を与える必要があります。その方法としては次のように行うと良いです。
- 口呼吸の場合は、寝るときに唇にテープ(肌にやさしい絆創膏など)を貼ることをおすすめします。詳しくは、『口呼吸⇒鼻呼吸に変えると口臭が消える!?』をご参考にしてください。
- 鼻炎などで鼻づまりがあり、仕方なく口呼吸になっている場合は、耳鼻科で治療することが大事です。
- ドライマウスがひどく舌が乾燥する場合は、人工唾液を処方してもらうとか保湿剤を塗ると良いです。詳しくは、『ドライマウスの対策はコレが一番!いったいどんな方法なのか?』をご参考にしてください。
- 降圧剤や睡眠誘導剤などの服用で副作用からドライマウスになっている場合は、かかりつけのお医者さんに相談し、副作用の少ない漢方薬にかえてもらってはいかがでしょう。詳しくは、『口が粘つくのは薬の副作用かも?ネバネバしないための対策はこれ!』をご参考にしてください。
溝状舌の予防方法
普段、舌に溝がない人でも、私のように睡眠中に口呼吸になっていたり、体調が悪くなると、急に舌に溝ができることがあります。
そのようにならないようにするには、次に紹介することを実行してください。
【溝状舌の予防方法】
- 睡眠時も鼻呼吸を心掛ける
- ドライマウスにならないように唾液分泌をよくする(舌を動かす体操を取り入れるなど)
- 小まめに水を飲む
- バランスよくビタミン摂取する
- ストレスや疲労を感じた時には休養する
舌苔の対策と予防方法
「でも、舌苔をなくしたい。口臭をなくしたい。。。。」
そんなお悩みをお持ちの方がたくさんおられます。
口臭対策としては、舌苔ができないように、毎日、舌をケアすることが大事です。舌苔ができると口臭がするので、舌をきれいにすることが大切です。
あまり知られていないのですが、細菌が増え口腔内が汚れると、唾液の分泌が悪くなります。出たとしても、交感神経の作用によって粘つく唾液。これでは気持ち悪いのは当然です。
反対に口腔内がきれいだと、副交感神経が活発になり唾液もよく出ます。そして、出てくるのはサラサラの唾液。だから、ストレスもなく気分が良い。だからよけいに唾液が出るという良い循環が生まれるのですね。
口腔環境を良くすることは、ドライマウスを改善するためには重要です。ドライマウスが改善されれば、(後天性の)舌の溝もなおります。だから、口臭がでないように舌や喉を専門にケアするには、口臭予防歯磨き粉「美息美人(びいきびじん)」がおススメです。詳しくは『 舌苔や口臭をうがいだけで取り除くことができる美息美人とは?』をご参考にしてください。
舌に溝ができる原因がわからないので、予防の仕方もわからないといわれています。
しかし、はっきり分かることは…
- 口腔内を乾燥させないこと
- 健康になり免疫力を高めること
- 常に口腔内を衛生的にすること
舌が乾くとひび割れができます。ですから、ドライマウスの予防が大事です。
また、免疫力がさがると舌苔もできるので、健康を維持することが一番の予防になると思います。
そして、舌苔ができないようにすることで大切なのは、口腔内を不清潔にしないように、毎日、ていねいに口腔ケアを行わないといけません。
舌苔や口臭がひどい場合には、口臭予防歯磨き粉「美息美人」をおすすめします。
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