間違いだらけの口臭予防
口臭予防を間違えている人が多いです。口臭予防で一番大切なのは口臭の発生源にふたをすること。それなのに、ほとんどの人はニオイの発生源とは無関係な所ばかりをきれいにします。
「そんなことはない!」と思っていませんか?
あなただけではなく97%以上の人は、口臭予防のために歯磨きに労力をかけています。女性の場合、特にエチケットに気をつかうので、朝晩の歯磨きのほかに昼食後も歯磨きを行なうのが一般的ではないでしょうか。
それだけではありません。定期的に歯科検診を受け、歯石を取り歯のクリーニングできれいにしています。ここまで歯のケアをする理由は、虫歯予防のためもありますが、内心は口臭予防のためだそうです。
これほど歯のケアに労力をかけているのに、口臭を心配しなければいけないのはどうしてでしょう?不思議ではありませんか?それは、現在行っている口臭予防方法が間違っているからかもしれません。
今回の記事では、口臭予防方法の間違っている点と、正しい予防方法についてお伝えします。ぜひご参考にしてください。
口臭予防…歯磨き粉の効果
口臭予防の代表といえば、歯磨き粉です。良い歯磨き粉を使えば、口臭もしなくなりそうですよね。だから、「口臭予防歯磨き粉」がたくさん売られているのでしょう。
しかし、一度でも歯磨き粉を変えたことがある人なら、分かると思いますが、歯磨き粉を変えたくらいで口臭がなくなることなどありません。
それでも、口臭予防歯磨き粉を買うのは、「もしかしたら口臭がしなくなるかもしれない。」というかすかな期待があるからでしょう。
どうして、歯磨きをしても口臭がなくならないのかというと、歯に口臭ガスが付着しているわけではないからです。歯が汚れると多少ニオイがするかもしれませんが、困るほど強いニオイではないです。
口臭ガスは、歯ではない部分で作られています。そして、ガス化して口内にたまっているものです。だから、歯磨きでは口臭は取れない。
この理由については、後ほど詳しくお話します。
口臭予防…ガム、タブレット、あめの効果
歯磨き粉の次に口臭予防に使われるのは、ガム、タブレット、あめです。これらを口臭予防のために利用するのは、臭いニオイを香料でごまかすためです。決して消すためではありません。
香料のニオイによって、臭い口臭をマスキングする目的で噛む・なめます。ところが、実際は、臭いニオイに強い香料が混じると、さらに臭く感じることに。食べている本人にはわかっていなくても、周囲の人にとっては大迷惑です。ですから、口臭がしている人の場合には、ガム・タブレット、あめをなめるときには注意してください。
このように、ガムには直接的な口臭予防効果はありませんが、ガムを噛むことで唾液がよく出ます。そのことで口臭を予防する効果が認められています。詳しくは、『ガムは口臭に効果があるか?口臭を予防するおすすめの噛み方』をご参考にしてください。
口臭予防法を考える
いきなりですが、あなたのお家の素敵なキッチンはこんな感じですか?
ところが、こんなにきれいなキッチンなのに、娘さんからこんなふうに言われるとショックですよね。
娘「何か臭くない?」
毎日こんなにきれいにキッチンを磨いているのに、臭いなんて言われたらショックです。
母親「そんなことないよ。」
そして、見せてくれたのがこれ!ぴかぴか!なシンク。
よく磨かれて、ピッカピッカ!あなたご自慢の台所のシンクです。
娘「でも、やっぱりなんか臭わない?」
母親「え~そんな。」
と、排水口を覗いてみると…えっ? 意外なことに、
娘「ここから臭っていたんだ。」
母親「いつもきれいにしているから、大丈夫かと思って。。。」
娘「流し台は、排水口をきれいにしないとダメだよ。」
そういわれて…しぶしぶ排水口を掃除。
でも、きれいになりました。
排水口もピカピカに!
娘「全然臭わなくなったね。」
母親「ニオイが無くなったら気持ちよくなった。」
娘「お母さん、これから見えるところばかりきれいにしてもダメだよ。」
母親「流し台の表面だけ磨いてもダメね。」
ここまでを読まれたあなたは、「当たり前だ。」と思われたでしょうか?それとも、何か気づかれたのではないでしょうか?
口臭の発生源
このたとえ話は、まったく同じことが口臭に関しても言えます。
それが、これ!
口臭原因については⇒⇒『口臭がドブ臭でもアルカリイオン水うがいで取れるのか?実際にやってみた結果・・・』
上図の臭い玉(においだま)、舌苔(ぜったい)、そして、歯周病が口臭の3大原因です。これらは、次の場所にできます。
- 歯周病…歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)
- 舌苔(ぜったい)…舌の表面
- 臭い玉…扁桃(へんとう)
この3か所と虫歯からの口臭で、口臭全体の8割以上を占めるといわれています。
臭い玉について詳しくは『口臭の元!臭い玉(膿栓)ができる4つの原因と取り方』をご参考にしてください。
それなのに、歯磨きといえば、歯の表面だけ磨いている方が多いのは何故だと思いますか?
それは、子どもの頃から、歯磨きといえば歯を磨くことであり、虫歯予防のために歯磨きをするのだと教わってきたからかもしれません。
しかし、虫歯や歯周病を予防するためには、歯の表面を磨くことよりも歯周ポケットの内側をきれいにすることの方が大切です。
歯の表面はエナメル質で出来ているので歯がツルツルしている。だから、歯磨きでも容易にきれいにできます。きれいにできないのは、歯と歯の間や、歯と歯ぐきの間の溝部分です。
歯周ポケットが出来ると、汚れがたまり虫歯や歯周病になるので、この部分をていねいにブラッシングしないといけません。
口臭を効果的に予防するには、虫歯や歯周病を予防することが大切なのです。でも、それだけでは口臭は予防できないかもしれません。
舌のケア方法が間違っている
たとえ、虫歯や歯周病になっていなくても、舌が真っ白になり苔が出来ることがあります。舌苔(ぜったい)は口臭の大きな原因になります。
舌苔からは口臭の元となるニオイ物質が発生するので、舌をきれいにしていないと口臭は予防出来ません。
それなのに、歯磨きのときにていねいに歯周ポケットの中を磨いているという人でも、舌のケアは出来ていないことが多いのです。
「いいえ。舌磨きをしています。」というような人がいますが、舌磨きを過剰に行ってしまい舌粘膜に傷がついてしまっていることがあります。
舌磨きを何年も行い、舌苔が悪化しているケースが珍しくありません。このように、舌磨きについて勘違いしている人が多いのです。
舌はデリケートな舌乳頭で覆われています。舌をゴシゴシと磨いては、舌乳頭が削れてしまいよけいに細菌が繁殖し舌苔(ぜったい)が出来口臭も強くなります。詳しくは『舌磨きをしないで舌苔(ぜったい)を取る方法!舌を磨くと逆効果になるのでご注意ください』をご参考にしてください。
最近では、歯周ポケットと舌のケアの大切さを理解されている人が増えています。でも、口臭の発生源はそれだけではありません。
喉(のど)から口臭が発生する
じつは、口臭で困っている人の多くは、のどから発している事実を認識されていないことが多いのです。
喉(のど)には扁桃(へんとう)があり細菌をやっつけるために免疫(粘液)が出ます。それが固まりできるのが臭い玉(膿栓)。
膿栓(のうせん)は、風邪をひいたときなど誰にでも出来るものですが、膿栓(のうせん)が沢山出来るときには粘液も多量に出ています。この粘液(膿汁のうじゅう)が臭く、口臭の原因になります。
粘液は痰のように粘ついているので、喉の壁にへばりつき「えへん虫」があるように感じることが多いです。詳しくは『えへん虫で喉がイガイガする!その原因は臭い玉と痰!対策はこうすると良い』をご参考にしてください。
その臭い粘液が口内に流れてくると唾液に混じります。唾液が粘つくとか臭い、苦い、と感じる場合には、粘液を疑うと良いかもしれません。
粘液には細菌が沢山混入しているので、のど付近の舌が白くなるのはそのためです。舌苔の対策については『舌の奥が白い!その原因と対策は?保湿ジェルがおすすめ』をご参考にしてください。
臭い粘液が口に入り唾液に混じると舌に付着して舌全体が白くなります。これは、舌表面に細菌が繁殖しているからです。
そして、緊張やストレスなどによって口が渇くと、舌についた唾液のニオイ物質が気化して口臭ガスとなる。これが、喉(のど)が口臭源となっている場合のプロセスです。
もうご理解いただけたと思いますが、口臭を予防するためには、歯磨きだけではなく、喉(のど)と舌をきれいにしないといけないのです。
昔流行ったCMで、こんなのがありました。「臭いニオイは、元から絶たなきゃだめ!」
口臭予防も同じことが言えます。口臭を元から絶つことをおすすめします。
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