
膿栓ができると喉から独特な硫黄臭や下水臭の口臭がするようになります。また、膿栓が取れずに扁桃に溜まったままになると、喉に魚の小骨が刺さったような痛みや違和感が起こります。そのため、直ぐにでも「膿栓を取りたい」と思うかもしれません。
膿栓が取れると気持ちいいですよね。しかし、無理に取らなくても、膿栓はタイミングがくれば、自然に取れてしまうものです。食事や咳をした時に膿栓がポツンと取れてしまうからです。
でも、中々取れない膿栓もあります。取れない原因として考えられるのは、膿栓が溜まる扁桃のくぼみの形状や、喉の乾燥によって固まった膿栓が粘膜に強く付着している場合です。
また膿栓が多量にたまる(良く出る)とか、膿汁が多量に付着している場合には、口臭も強くなります。
このような場合は、慢性扁桃炎や咽頭炎など耳鼻科疾患が原因になっているケースが多いので、耳鼻咽喉科を受診されたほうがいいでしょう。膿栓の症状によっては、膿栓の除去や洗浄も行ってくれます。一度ご相談してみてください。
しかし、色んな理由からすぐに耳鼻咽喉科にも行けない場合には、今からお伝えする方法で膿栓の除去を試みてください。
口に水を含み、ガラガラと「喉うがい」をします。この時、「あ~、う~」と、膿栓がある部分をめがけて水が当たるようにします。うがいをしたら、今度は「あっ、うっ」という感じで水と一緒に膿栓を吐き出すようにするのが、コツです。
今回の記事は、膿栓の取り方について詳しくご紹介しますので、ご参考にしてください。
この記事の目次
膿栓には取れるタイミングがある
膿栓ができたとしても、食事の時に飲み込んでしまうことが多いでしょう。人によっては、咳やくしゃみをして飛び出てきたというケースもありますが、その場合は、すでに膿栓は自然と取れてしまうタイミングにあったのです。
このタイミングを無視して無理に膿栓を除去しようとすると、喉を傷付けてしまうのでお止めになってください。上手く膿栓を除去するには、扁桃の表面に膿栓が付いているのを目視出来る時を狙うのがベストです。
膿栓の原因を知る
膿栓は扁桃のくぼみにできます。白色や黄色の膿栓をつぶすと強い悪臭を放つために、臭い玉とも呼ばれます。
喉や鼻から入ってきた細菌やウイルスを捕まえて殺すために、扁桃からは白血球などの免疫物質が分泌されます。免疫と細菌・ウイルスの戦いの後、扁桃のくぼみ(陰窩)には白血球などの死がいと食べかすなどの汚れがたまり膿栓ができます。
しかし、多少膿栓ができても口臭の原因になることはなく、発熱や喉に腫れなどの症状がなければ放置しても問題ないようですので、できれば無理やり取らないほうがいいでしょう。
適切な膿栓除去法を選択する
膿栓を除去すると違和感もなくなりスッキリするかもしれません。そのため、自分で膿栓を取ろうとする人が後を絶ちませんが、間違った取り方は大変危険です。
膿栓の取り方には、次のような方法があります。
- 指で取る
- 舌を使って取る
- 箸、ピンセット、爪楊枝、綿棒、など器具を使って取る
- 丸形洗浄瓶を用い水をかけて取り除く
- シャワーの水流で勢いよく洗浄する
- ジェットウォッシャー(口腔洗浄器)で洗浄する
- うがい
植木鉢への水やりに使う「丸形洗浄瓶」というのが人気のようですが、大量の水と共に臭い玉や痰が食道に流れてくるので、えづいてしまいます。嘔吐反射の強い人には不向きです。
これら「膿栓の取り方」について、メリット・デメリット、取る時のコツについて、一つずつご説明します。
膿栓を取るときのポイント
膿栓を取る時には、大切なポイントとコツがあります。
- 安全に取る方法
- 見えない膿栓を取る
自分で膿栓を取ろうとすると、ばい菌に感染したり出血するなどの危険があります。ですので、たとえ膿栓を取るためでも、安全性を重視することが大事です。
また、膿栓は扁桃のくぼみに隠れていて、喉の中も暗いために見えないことが多いです。見えない膿栓を無理やり取ろうとすると、嘔吐反射から「おえっ」となるかもしれませんので、喉に優しい取り方が望ましいでしょう。
そのような失敗をしないためにも、これからご紹介する「臭い玉(膿栓)を取るコツ」をご参考にしてください。
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丸形洗浄瓶で膿栓を取る時のコツ
丸形洗浄瓶の本来の利用は、狭い箇所の洗浄や水やりに使用します。ところが、アマゾンで丸形洗浄瓶を探すと、ほとんどの方が膿栓を取るために購入されています。
だからといって、安全面からは決しておすすめできませんが、自己責任で使用される場合には、今からご紹介する方法によってトラブルが少しだけ軽減するかもしれません。
水の勢いが弱く取れない
丸形洗浄瓶を使用する時のコツは、水流の勢いです。水の勢いが弱いと膿栓が取れないことがあります。そのような時は、丸形洗浄瓶を強く握りしめて強い水流を膿栓に当てるようにするといいでしょう。しかし、嘔吐反射という新たな問題が出てくるかもしれません。
膿栓が見えない
「臭い玉が見えないけれど、違和感と口臭があるから取りたい。」と言われる方がいます。
喉は狭く暗いために、膿栓が見えないことの方が多いです。見えない状態で膿栓を取ろうとするのは大変危険です。そのような時にはライト付きのデンタルミラー(歯鏡)で覗くと良いでしょう。ただし、デンタルミラーは、膿栓のある位置を確認するだけで、覗きながら取るのは難しいです。
膿栓のある位置を確認したら、狙いを定めて水を吹きかけるのがコツです。
嘔吐反射する
舌の奥や扁桃腺に触れると、嘔吐反射からおえっとなると思います。そのため、綿棒など器具を使えない人が多いです。
丸形洗浄瓶の場合でもノズルが当たらないようにしないと嘔吐反射します。また、喉にたまる水を強く吐き出そうとすると、「おえっ」となるのでご注意ください。嘔吐反射しないようにするには、舌を出したまま弱く「はあぁー」と息を吹きながら膿栓の部分に水を当てるのがコツです。
喉が痛い
丸形洗浄瓶で膿栓を取る時に、水を使うと喉を傷めることがあります。喉がデリケートな方の場合には、生理食塩水を作ってから使用すると良いでしょう。
使う前に、喉が腫れているとか咳が出ている場合は、耳鼻科を受診されることをおすすめします。
安全な膿栓の取り方とコツ
膿栓が成長すると、扁桃の表面にポツンと表れます。この状態になると、食べ物を飲み込んだり、咳をしただけで取れることがあります。このタイミングに合わすと、うがいでも膿栓は取ることができます。
うがい
耳鼻科のお医者さんに、臭い玉のことを相談すると、必ずといっていいいほど「うがいをして喉をきれいにしてください。」といわれます。
うがいのコツは、水が扁桃に当たるように首を傾けてガラガラとうがいをすると良いでしょう。
うがいの後、口から水を吐き出しても膿栓が取れないときは、喉を少し詰まらせて息を吐き出す(痰を吐き出すような感じで膿栓を絞り出す)方法も試してみてください。扁桃の表面にくっついている臭い玉なら、これだけで除去できることがあります。
ところが、実際、水でうがいをしても、それほど効果はありません。うがい薬を使うのがいいのですが、うがい薬を毎日使うのは気が引けるかもしれません。
アルカリイオン水うがい
うがいのコツで重要なのは、アルカリイオン水を使用すること。
次の図は、アルカリイオン水でうがいを行うと膿栓が取れるイメージです。
アルカリの作用で膿栓の表面が溶かされるため、取れやすくなります。
膿栓が取れた後もアルカリイオン水でうがいを行うことを続けると、膿栓をできないように予防できます。
詳しくは『口臭はアルカリイオン水うがいで取れるのか?実際にやってみた結果・・・』をご参考にしてください。
アルカリイオン水を使うと、膿栓が取れるだけでなくできなくなる。このことが、おすすめする一番の理由なのです。
アルカリイオン水のうがい方法は、朝晩の歯磨きのときにガラガラうがいを行います。そして、日中も小まめにガラガラうがいをするのがコツです。
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やってはいけない取り方
YouTubeの取り方
臭い玉(膿栓)の取り方がYouTubeにたくさん紹介されています。YouTubeの調べ方は、Googleで「臭い玉」と検索すると表示されるので、ご興味ある方は一度ご覧になってください。
でも、決してマネはしないようにお願いします。
というのは、動画の中にある臭い玉(膿栓)の除去法は、鏡の前で大きく口を開き、喉に綿棒を突っ込み、「おえっ、おえっ」と苦しんでいる姿です。そして、最後には決まって、「大きな臭い玉が取れた!」とか、取れた臭い玉を嗅ぎ「臭い!」とか言って終わります。
これらの動画の多くは、ユーチューバーという人たちがビジネスでアクセス数を稼ぐために、面白おかしく作成したものです。
しかし、問題なのは、手を消毒していないし、また綿棒や箸などで扁桃(へんとう)を突っつくと傷つけ化膿するかもしれません。現に動画の臭い玉除去法をマネして出血した方もおられます。
あなたは、そのような危険なことをしないかもしれませんが、ご注意ください。
舌で臭い玉(膿栓)を取る
この方法は、あまりにもグロテスクなので動画を見ることははおすすめできません。でも、舌で臭い玉(膿栓)を取る方法はアリかもしれません。
これは、使っている道具が舌なので、柔らかく喉を傷つけたり感染する心配がありません。それどころか、舌を動かすことで舌筋が鍛えられるため、唾液線も活発になるかもしれません。
でも、舌筋が衰えている人が、無理に喉の奥まで舌を動かすと、舌が引きつってしまうかもしれないのでご注意ください。
動画では、舌を器用に動かして扁桃の穴から出ている臭い玉(膿栓)を取る様子が写っていました。舌を扁桃に押さえつけると、臭い玉(膿栓)が穴から少しずつ出てきて、最後には米粒のような臭い玉(膿栓)が舌の裏に落ちていました。
その後、落ちた臭い玉(膿栓)を、また舌を使って口に出すという動画でした。
動画では簡単に見えるかもしれませんが、舌で臭い玉を取るのはかなりコツがいると思います。
⇒⇒ 膿栓(臭い玉)を取り除く方法はこれがオススメ!予防する方法5つ
綿棒で臭い玉(膿栓)を取る
綿棒で臭い玉(膿栓)を取っている人が多いようです。だからでしょうか、youtubeでも綿棒で臭い玉(膿栓)を取っている動画が多くありましたね。
舌で臭い玉(膿栓)を取るよりも、綿棒のほうが合理的です。しかし、綿棒は柔らかそうですが、喉の粘膜を強く押さえると痛いのが分かります。
また、綿棒の棒は短かく扱いにくいために、あちらこちらと粘膜を突っつくことになります。
それに、汚い指が喉の粘膜に触れます。このことで、喉に炎症を起こす可能性が高いです。
でも、喉に炎症が起きることで臭い玉(膿栓)ができることを知ると、綿棒で取ろうとはしないはずです。臭い玉(膿栓)は、アルカリイオン水の「うがい」でも取ることができるので、安全のためにも「うがい」で取る方法をおすすめします。
つまようじやピンセットで取る
動画の中で多かったのが、つまようじやピンセット。意外にもつまようじのような先のとがった物を使って臭い玉(膿栓)を取っている人が多いので驚きました。
動画の中では、つまようじやピンセットで器用に、扁桃に付いている臭い玉(膿栓)を取っていましたが、一つ間違えると喉の粘膜を刺してしまい出血するかもしれません。このような怖いことをやっていることにも驚きましたが、動画にアップロードしていることで勘違いするのではと心配しました。
手で臭い玉を取る
しかし、自分で取ろうと喉をいじると粘膜を傷つけ炎症を起こしかねません。傷がつくとよけいに臭い玉(膿栓)ができる原因になるので、喉をいじるのはおすすめできません。
たとえ膿栓が取がれたとしても、穴が大きくなるためよけいに膿栓ができる原因になります。
阿川佐和子さんの取り方
次にご紹介するのは、阿川佐和子さんの膿栓の取り方です。決してマネをしてはいけません。
あるとき、いつものように口腔観察に熱中していると、喉の奥にプツンと白いかたまりが付着しているのを発見した。
小さなかたまりは一つだけでなく、よく見ると二つ、三つと見つかった。口内炎の一種だろうか。しかし、それにしては痛くない。痛みを感じないデキモノとは、もしかしてガンかもしれない。そう思うと、急に心配になった。
・・・・
そこで今度は直接、かたまりに触れてみようと決心し、人差し指を突っ込んだ。当然、「オエッ」となるのだけれど、我慢しなければ。なにしろ生死にかかわっているかもしれないのである。
ようやく指先が問題の地点に到達したかと思われたとき、ふいに、プルンとかたまりが飛び出した。
膿栓が取れない時には
膿栓が取れない時は、耳鼻科を受診するのが賢い方法です。耳鼻科で、膿栓(違和感や口臭)について相談すると、案外簡単に解決するかもしれません。膿栓の専門家のお医者さんに質問するのが一番のコツです。
耳鼻科で治療
臭い玉(膿栓)ができても害がなければ特に問題ありません。しかし、口臭が強くなるので困るわけですよね。
におい玉があるのは扁桃に炎症があるためですが、特に症状がなければ治療の必要はありません。におい玉のために喉に異物感や異常感がある場合は、取り除くことがあります。
引用:高知大学医学部付属病院 におい玉
耳鼻咽喉科に行っても、痛みや熱が無い限り「病気ではないので特に問題ありません。誰にでもできるものですからご安心ください。」と、何もしないで帰されることが多いようです。
しかし、臭い玉(膿栓)ができるのは、蓄膿症や扁桃炎が原因になっていることがあります。その時は治療することが大事です。
詳しくは、『「口臭がひどい」と言われた人に読んでほしい口臭原因5つとは?』をご参考にしてください。
アレルギー性鼻炎や蓄膿症は慢性的になるので、お医者さんでもそれほど問題にしないかもしれません。しかし、臭い玉(膿栓)ができると口臭も強くなるので、そういうわけにはいきませんよね。だから、臭い玉(膿栓)を自分で取ろうとするのかもしれません。
臭い玉がよくできる人には特徴がありますので、「臭い玉が喉にできる人とできない人の特徴とは?その違いについて教えます」をご参考にしてください。
扁桃除去手術
膿栓ができるほとんどのケースが慢性扁桃炎によるものです。ですから、扁桃腺の摘出手術を行えば膿栓ができなくなります。ただし、口蓋扁桃は喉の左右に2つあり、舌の根本にも舌扁桃があるので、扁桃を一つ取っても根本的な対策にはなりません。
口蓋扁桃炎(扁桃炎)による高熱・咽頭痛を繰り返していてお困りの方に、口蓋扁桃 摘出術を行っています。一般的には1年に4回以上繰り返している場合は手術の適応とされています。手術は全身麻酔で、約1週間の入院が必要です。
引用:京都大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
水を飲む
膿栓の予防で効果をあげるためには、日中、小まめに水を飲むのがコツです。
水を飲む理由は、臭い玉(膿栓)が出来やすい人の場合、唾液の分泌が少ないとか、口呼吸になっていて咽喉が乾燥しやすい体質のことが多いからです。
咽喉が乾燥すると、細菌も繁殖しやすくなりますので、粘液(免役物質)が多量に出て臭い玉(膿栓)が出来ます。ですから、水を飲んで細菌を洗い流すことが大切なのですね。
外出から帰宅すると手を洗うのは、手についているばい菌を洗い流すため。水流だけで、ほとんどのばい菌は除菌できるといわれています。
うがいも手洗いと同じです。水でうがいをおこなうことで喉を清潔にできます。そして、臭い玉(膿栓)ができないように予防できます。
ところが、重要なことなので再度申し上げます。
よく「うがいをしても臭い玉が取れない」という方がおられます。これは、たとえうがいで臭い玉が取れたとしても、また出来るということがあります。臭い玉は何度でもできるものです。
臭い玉がよく出来る人の特徴は、喉が乾燥しやすい。睡眠中にいびきをかいていたり、鼻炎で鼻づまりになり口呼吸になっていることが多いのです。そのため、喉が乾燥し臭い玉(膿栓)ができるのです。
この場合の対策は、喉を乾燥させないことです。そのためには、小まめに水を飲むことが大切です。水を飲むと唾液の分泌も促されます。反対に水分不足になると唾液が減ってしまいます。
臭い玉(膿栓)予防のコツは、睡眠前に歯磨きをし、仕上げに喉のガラガラうがいをする。そして、コップ一杯の水を飲む(半分でも良い)ことです。
これだけでも効果がありますが、起床すぐにも、ブクブクうがいとガラガラうがいを行い、寝ている間に増えた細菌を洗い流すと良いです。そして、喉を潤すためにコップ一杯(半分でも良い)の水を飲むことをおすすめします。
関連記事
・口臭がドブ臭でもアルカリイオン水うがいで取れるのか?実際にやってみた結果・・・
まとめ
膿栓の取り方のコツをまとめましたがご参考になったでしょうか。一番大事なことは、膿栓は自分で取ってはいけないことです。2番目のコツは、膿栓は無理に取らなくてもタイミングがくれば自然に取れてしまうので、それまで待つか、待てない場合にはうがいを行うと早く取れます。
美息美人のアルカリイオン水でうがいを行うと、膿栓がより簡単に取れるだけでなく、膿栓ができにくくなりますので、お勧めします。
【参照リンク・参考文献】
・日本歯科医師会 歯とお口のことなら何でも分かるテーマパーク802
・日本口臭学会 口臭と口臭症に関連する用
・日本耳鼻咽喉科学会 代表的な病気
・日本口臭学会 口臭への対応と口臭治療の指針2014
・日本口腔ケア学会
・順天堂大学医学部附属天堂医院 口臭
・京都大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
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