膿汁(のうじゅう)とは

口臭が治らないときは、膿汁(のうじゅう)を疑ってください。

ほとんどの口臭は歯周病など口内に原因があるのですが、喉に痰のような粘液がある場合は、そこに細菌が増殖して硫黄化合物が生まれます。

硫黄化合物は、唾液が減ったときや喉が乾くと気化して口臭となるのです。だから、口臭を改善するためには、膿汁の対策と予防が欠かせないのです。

この記事は、現役歯科衛生士の上林ミヤコが書きました。

※このブログの一部記事は、オーラルウェルネスクリニック院長・
ファストロ滋子医師により監修を受けております。
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膿汁とは

膿(うみ)

膿汁は膿(うみ)の汁と書きます。細菌が集まってできるので、汚い、臭いというイメージが強いのではないでしょうか。

しかし、膿は自然治癒力の結果として生まれる副産物です。

私たちがけがをした時、傷(きず)が化膿(かのう)して、膿(うみ)が出ることがあります。膿は、侵入しようとする細菌を防ぐために、白血球が闘った跡(あと)なのです。白血球のような食細胞は、体内に入り込もうとする細菌を食べることで、病気の感染を防いでいます。

引用:日本製薬工業協会

喉にできる膿汁も、傷が化膿したときの膿と同じもの。だから、膿汁は口臭原因になるのです。

喉に細菌が増えて膿汁ができる

喉の奥にある口蓋扁桃(扁桃腺)をはじめとした咽喉内の扁桃は、進入してくる細菌やウイルスなどを殺し、体内への侵入を防ぐ働きがある。

引用:Wikipedia

固まると膿栓になる

扁桃で生まれた膿汁が固まると、扁桃結石(膿栓、臭い玉)と呼ばれるようになります。

膿栓は扁桃腺で免疫システムが細菌などと戦った結果の産物や食べ物のかすなどが合わさったものと考えられます。

引用:板谷耳鼻咽喉科

膿栓は、次のようにしてできます。

扁桃腺に膿栓ができる

扁桃の表面にある腺窩と呼ばれる小さな穴に、剥脱上皮、リンパ球や白血球、細菌塊、炎症性崩壊産物、脂肪酸、コレステリン、燐酸石灰、食物残渣などが溜まることにより(膿栓が)形成される。

引用:Wikipedia

→ 口臭の元、膿栓がよくできる人の根本原因と予防策!

膿汁は痰

膿栓の取り方…咳

扁桃の膿汁だけでなく、膿汁にはいろんな種類があります。膿汁は、専門的には「喀痰(かくたん)」といわれます。「痰(たん)」と言うと分かると思いますが、それでは痰についてどれだけご存知でしょうか?

いろんな喀痰

  • 粘液性:白くねばねばした痰
  • 膿性:黄色い色で強い粘りがある
  • 粘膿性:粘液性と膿性が混じった痰
  • 漿液(しょうえき)性:水のようにサラサラで無色透明
  • 漿液粘膿性:漿液性と粘液性と膿性がまじった痰
  • 粘性線維素性:粘りがあり、透明感のある鉄さびのような赤茶色の痰
  • 血性:血の混じった痰(痰はなく血だけが出てくるのは喀血(かっけつ)と言います)

引用:長寿科学振興財団

痰に膿が混じるので、「膿汁」と呼んでいると理解してください。また、舌の奥(根本)には舌扁桃があるため、この部分に膿汁がよくできます。

舌扁桃にできる膿汁

この他にも、副鼻腔炎になると、副鼻腔にたまった膿が喉に落ちる(後鼻漏)鼻汁も膿汁といいます。

→ 鼻の中が臭い!原因不明の場合は蓄膿症に注意、「3割の裏にある後鼻漏」

後鼻漏

痰の症状には咳があります。気道に痰がからむと咳をして外に出そうとしますよね。これは、痰(膿汁)があると、喉がイガイガするからです。

→ 喉の奥がネバつくのは膿汁が原因だった!?膿汁を出なくする方法とは?

膿汁ができる原因

喉が粘つく女性

膿汁は、鼻や喉に細菌やウイルスが感染することからできます。

  • 風邪
  • インフルエンザ
  • 気管支炎
  • 気管支拡張症
  • 肺炎
  • 肺水腫
  • 副鼻腔炎(ちくのう)

引用:長寿科学振興財団

慢性的に膿汁がある場合は、慢性扁桃炎が原因かもしれません。慢性扁桃炎には、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎でドライマウスの人がなりやすいです。膿汁が治らない場合は、耳鼻咽喉科を受診されることをおすすめします。

→ 扁桃腺は膿栓の溜まり場だった!?膿栓が溜まる理由と対処法とは?

膿汁が口臭原因になる

えっ!臭くない?

細菌が口臭を発生する

膿の中にある細菌は、食べ物カスや唾液に溶け込んだタンパク質を分解し、メチルメルカプタン、硫化水素などの揮発性硫黄化合物を生み出します。この臭い物質が気化して口臭となります。

口を閉じたままにしていると、喉に口臭が充満し、しゃべると口臭が一辺に外に出ます。だから、膿汁があると口臭がよくします。

膿汁が舌苔の原因になる

膿汁は、舌の根本付近に良く付着します。そのため、舌に細菌が感染し舌苔(ぜったい)を作ります。舌苔からも硫黄化合物ができるために、口腔が乾燥すると口臭が発生します。

多くの場合、舌のずっと奥のところに白い膜が現れるが、それはこのような硫黄化合物の固まりである。もしその膜が黄色く変わり始めたら、症状が慢性化してきている、という徴候である。(硫黄の色は黄色い。)
引用:Dr. Harold Katz の 口臭バイブル

→ 舌が白い人は舌苔です。舌苔を取り除く7つの方法とは?

膿汁の予防

喉うがいで口臭予防

膿汁の予防は、根本原因となる疾患の治療を受けることが大事ですが、それ以外にも自身でできるケア方法があるのでご紹介します。

  1. 歯磨きケアによるプラークコントロール
  2. 喉うがい
  3. 舌清掃
  4. 口呼吸・いびきなどの改善
  5. タンパク質(乳製品、赤身の肉、豆類)を避けた食事
  6. 睡眠不足、過労、ストレスをためない
  7. 降圧剤、抗うつ剤、抗コリン剤など唾液が減少する副作用の薬を見直す

著者:上林ミヤコ(歯科衛生士)
日本歯科学院専門学校 歯科衛生士学科卒業。一般歯科医院に勤務後、株式会社アイオーン上林歯研究所で主に口臭相談業務を担当。
→ 執筆者プロフィール

サイト運営責任者:上林登
株式会社アイオーン代表取締役、上林歯研究所所長、口臭予防歯磨き粉 美息美人の開発・製造販売
日本口臭学会会員、日本歯周病学会会員、日本口腔ケア学会会員
→ サイト運営情報

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