知っているようで知らない歯周病の秘密
「歯周病のことなど知っているよ!」と仰るかもしれません。テレビのCMでも、歯周病のための歯磨き粉のことを詳しく説明しています。それだけではなく、歯周病を特集する番組まであるので、かなりの知識が詰まっているのではないでしょうか?
それなのに歯周病がなくならないのは何故?そして一度歯周病になると、何度も歯ぐきが腫れるのは何故?歯周病菌が原因の口臭がしている人が多いのは何故?
今回の記事では、あなたが知らない歯周病の秘密についてお伝えします。ぜひご参考にしてください。
この記事の目次
本音で歯周病について発表します
テレビのCMでは、いかにも薬用歯磨き粉の効果があるように宣伝するので、素直な人であれば、「この歯磨きを使えば歯周病が治る。」と思い込むかもしれません。
本当にそれほど効けば、歯医者さんは要らなくなります。
歯周病を特集したテレビ番組でも、歯周病菌の怖さを説明しますが、歯科で定期的に検診を受け丁寧にブラッシングを行なえば、予防できるようなことを言って終わります。
言ってることは、半分は正しいです。私も何度も口酸っぱく言っていますように、定期健診とブラッシングの重要性は認めています。でも、それは、歯周病を予防するためには最低限必要なことです。
それをやっていても、歯周病は何度でも悪化します。歯ぐきが腫れたり出血がある人なら分かると思いますが、少し調子が良くなっていても、忘れた頃に歯ぐきが腫れたなんてことはありませんか?
その理由を発表します。
人によって、歯の生え方や形状は違います。歯が斜めに生えていることも。また、虫歯が多い人の場合には、銀歯やブリッジなどの人工歯が被さっていかもしれません。そのような場合には、通常の歯ブラシで通常のブラッシングをしても磨き残しが出来ることがあります。
もし、歯間の歯周ポケットが5ミリ以上もあれば、電動歯ブラシで磨いたとしても磨ききれません。それだけ歯周ポケットが深いと、たとえ歯間ブラシやワンタフトブラシを使用しても磨き残しが出来るでしょう。
一度、歯肉炎や歯周炎になった部位であれば、そこに磨き残しがあれば、どうなると思いますか?歯周病菌が沢山増えることでしょう。そして、歯肉炎に、というようなことに。
たとえ薬用歯磨き粉を使用しても、磨き残しがありプラークがそのまま着いていれば、歯周病菌は増えます。そして、歯周病治療の名医にかかり治癒しても、お家でのケアが充分に出来ない限り再発するでしょう。これが、歯周病が完治できない理由です。
歯茎のニオイが気になる場合については⇒⇒歯茎が臭いそれは歯周病から口臭に発展した証拠。うがいで口臭を消す方法とは?
ブラッシング不足が歯周病になる大きな原因
毎日ていねいに歯磨きをしているつもりでも、次のようなところは、普段のブラッシングではきれいにできません。
歯間が歯肉炎になりやすい
歯と歯の間は、狭いために歯ブラシの毛先が入らないので、どうしても磨き残しが出来てしまう場所です。
歯間は、できれば歯間ブラシやフロスで磨くことも必要です。もし、歯間部に広い隙間が出来ていれば、音波振動歯ブラシの毛先を突っ込んで10秒ほど振動することも良いかもしれません。音波振動歯ブラシで歯間部のプラークが完全に取れるわけではありませんが、通常の歯ブラシでは入らない部位の場合には有効です。
歯間ブラシをした時のニオイが気になる場合は⇒⇒歯間ブラシが臭い!その原因と取り方について現役の歯科医が教えます。
ブリッジの底が歯肉炎になりやすい
ブリッジの底の部分はきれいに歯磨きができない場所。
上図の菌が付いている部位が、ブラッシングできないところ。ブリッジの調子が悪くなり外してみると、丁寧に歯みがきをしている人でも歯間部とダミーの底がまっ黒く汚れているものです。
この部分に歯周病菌が繁殖すると、歯肉を腫らし歯周ポケットが深くなります。そのことが、さらにブラッシングを困難にするのです。
差し歯が歯肉炎になりやすい
差し歯の不適合
前歯の差し歯と歯ぐきの間が黒くなることがあります。これは、差し歯が適合していないために、ブラッシングをしても汚れがたまり細菌が繁殖するからです。歯周病菌は歯肉を痛め膿が出ることに。
そのことから、口臭も発生!
このような状態が続くと、歯周病だけではなく虫歯にもなるかも。
差し歯のニオイが気になる場合については⇒⇒差し歯が臭いのは口臭菌が取れてないから。重曹に期待しすぎてはいけない!
歯周病(歯肉炎)になると起きる問題
歯肉炎になると、歯ぐきがぶよぶよと腫れたり、歯みがきをしたときに出血があります。これが歯周病の初期の状態です。
歯周ポケットの深さを測ると2ミリほどですので、この状態であれば、通常の歯ブラシの毛先でも入り込むことが可能です。ですから、この時期にしっかりとブラッシングを行えば、治癒することも可能です。
ところが、この時期に治癒できないと、歯周病は進行し歯周ポケットも深くなっていきます。そして、ブラッシングが困難になります。
歯肉炎になると、歯周ポケットが深くなり、今までのブラッシングでは、磨き残しができるようになってしまいます。磨き残しができた歯周ポケットには、細菌が増殖し、膿などの臭い液が常時、溜まることに。これが問題なのです。
歯周ポケット内の膿から、メチルメルカプタンが産生されるからです。メチルメルカプタンは口臭ガスの中でも最も強烈な臭いを発します。
だから、歯周病(歯肉炎・歯周炎)になると、強い口臭になるのです。このようになる前に、ブラッシングケアを充分に行うことが重要なのです。
歯周病を予防するためには
これまでの説明でご理解できたと思います。
歯周病は、当初痛みもなく知らない内に進行する病気です。歯ぐきが腫れたり出血が止まらなくなったら大変です。
歯肉に炎症を起こし歯周ポケットが深くなるからです。歯周ポケットが深くなると今まで行っていたようなブラッシングでは、磨けないようになります。
このようにならないように、健康な内から定期的に検診を受けること、そして、丁寧にブラッシングケアを行なうことが重要です。
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